贈与は、単に財産を渡す行為ではなく、家族の暮らしや将来を応援する仕組みとしても活用できます。住宅の購入、教育、結婚や子育てなど、人生の節目で必要となる費用を支援するために行う贈与については、別途の「非課税の特例」が設けられています。
こうした制度を活用すれば、贈与を受ける人が安心して資金を活用でき、贈与する側も法的に整った形でサポートを行うことができます。
ここでは、主な3つの目的別贈与の特例と、併せて検討したい「配偶者への居住用不動産の贈与」についてご紹介します。
住宅取得資金贈与の特例
子や孫が自宅を新築・購入・増改築するための費用を支援する場合、一定の条件を満たせば最大1,000万円(省エネ住宅などの場合)まで非課税となる制度です。贈与を受けた人が、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅を取得し、その住宅に実際に住むことが条件となります。
制度の適用期限や対象となる住宅の種類(新築・中古)によって上限額が変わるため、事前の確認が必要です。
教育資金贈与の特例
祖父母などが、子や孫の教育費を支援するために資金を贈与する場合、最大1,500万円まで非課税で贈与できる制度です。専用の金融機関口座を開設し、その口座から授業料・入学金・教材費などを支払う形で利用します。
支払い内容を証明するために領収書の提出などが必要になりますが、学費や留学費用などを安心して準備できる仕組みです。
なお、令和5年度以降は所得制限が設けられているため、制度利用の際には条件を確認することが大切です。
結婚・子育て資金贈与の特例
結婚や出産、子育てにかかる費用を支援するための資金を贈与する場合、最大1,000万円まで非課税となる特例です。このうち、結婚関連費用(挙式・新生活準備など)は300万円までが上限とされ、残りは出産・子育て関連費用に充てることができます。
専用口座を通して支払いを行い、支出内容を報告する仕組みとなっています。
利用対象年齢や所得要件は改正により変わることがあるため、最新の情報に基づいて判断することが重要です。
あわせて検討したい「配偶者への居住用不動産の贈与」
長年連れ添った配偶者に対して、居住用の不動産を贈与した場合に適用できる特例(いわゆる「おしどり贈与」)もあります。
婚姻期間が20年以上の夫婦が対象で、贈与額のうち2,000万円までが非課税となります。
夫婦の生活基盤となる自宅を、正式な手続きで安心して贈与したい場合に活用できる制度です。
住宅、教育、結婚・子育てといった特定の目的に応じた贈与制度は、家族の人生の節目を支えるために設けられています。
一方で、それぞれの制度には対象となる費用・年齢・期限・申請方法など細かな要件があり、税務判断を要する場面も少なくありません。
古河生前対策相談プラザでは、茨城・古河の贈与・契約手続きに精通した行政書士が、各制度の内容説明や手続書類の作成を行うとともに、必要に応じて資産税に強い税理士と連携し、非課税特例の適用確認や税務申告に関するサポートを行っています。
初回の相談はもちろん、必要に応じて税理士との2回目の面談も無料で承っております。「制度を使いたいが、どれが自分に当てはまるかわからない」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。